輸血って必要?どんな危険が?

輸血って必要?どんな危険が?

誰の血液をもらうのでしょうか。

どんな危険や副作用があるのでしょうか。

どうして必要なのでしょうか。

手術の際に必ずと言っていいほど聞く輸血についてのお話です。

家族の血液をもらうことができる?

答えから言います。できません。

手術の際に説明するとよくこの質問をいただきます。
昔のドラマでは家族から血液をもらうというシーンがありますが、
実際には行われていません。

適切な処理が行われていない血液はとても危険です。
今使われているのは、日本赤十字社が献血で集めた血液から作られた製剤のみです。

輸血の危険性とは

① アレルギーが起こる可能性がある

人は外から異物が入ってきたときに体を守るために免疫機能を持っています。

この免疫機能が正常以上に働いたり、間違った方向に働くと
体にとって有害な状況になります。

輸血は他の方の血液をもらうため、体にとっては異物が入ってくる状態です。
通常よりもアレルギーを起こしやすい状況です。

症状としては、
軽いもので発疹、かゆみ、嘔気
重たいもので呼吸困難、血圧低下
などがあります。

起こる可能性としては、
軽いもので1%、重たいもので0.001~0.01%程度と言われています。

また、厳密にはアレルギーとは異なりますが
違う血液型(ABO式以外にも様々あります)の血液が輸血されると
ひどい副作用をきたす
ことが知られています。
しかし現在では、製剤や投与の管理がシステム化されておりほとんど起こりません。

② 感染症が移る可能性がある

血液製剤は献血でできていますが、
献血を受ける方の健康状態は献血会場では詳しく知ることができません。
もちろん問診や製剤の検査は行われますが、
現在の技術でも、ウイルスがいる可能性が0にはできません。

よく知られているのはB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、HIVウイルスなどです。
現在では輸血でこれらの感染症が移る可能性は非常に低いです。
(10万人~100万人に1人ほどと言われています。)
しかもこれらの感染症は、今では治療薬が開発され、治療可能なものとなっています。
しかし、現在でもこれらの感染症によって苦しんでいる人がいることも事実です。

また、現在まだ発見されていない未知の感染症がある可能性は常にあります。

輸血って必要なの?

輸血をしなければ助からない人や苦しむ人が多くいらっしゃいます。
現在の医療では不必要であればすぐに行われなくなってしまいます。

輸血をする理由としては主に二つあります。
1.貧血(酸素を運ぶ赤い成分が少ない)
2.凝固異常(血を固める成分が少ない)
です。

どちらも手術や大きな怪我などの大量出血や癌などの病気などで起こります。
ひどい状態になると、心臓や脳へ酸素が運べなくなり死に至ります。

手術でこれらの状態になった場合は、一時的に乗り越えれば回復できる可能性があります。
このような方には、使うメリットがありますし、デメリットを上回ります。

将来、技術革新が起き輸血が不要になる日が来るかもしれません。
しかし、現在では手術の危険性を減らすためにも重要な治療の一つです。

最後に

医者で不必要な輸血をしようと思う人間はいません。

不利益があることも十分に理解しています。

しかしそれでも使わなければいけない時がある治療です。

1人の外科医として、皆さんにご理解をいただければ幸いです。