手術と喫煙の関係について

手術と喫煙の関係について

平成29年の報告では、
男性29.4% 女性7.2%
が喫煙をしているそうです。

全身麻酔で行う手術では、喫煙の有無が手術後の状態に大きく関与してきます。

手術をする際の喫煙の影響についてお話します。

喫煙は悪いの?

手術をするにあたって喫煙は悪い影響しかないと言えます。

普段の生活の上で嗜好品として愛用する分には、個人の考えを尊重してもよいと思います。
しかし、全身麻酔で手術をするとなると話が変わります。
手術自体の危険性を高めるだけでなく、手術後の辛さにも大きく影響を及ぼしますので、禁煙を強くオススメします。

どのように悪影響を及ぼすのか

喫煙は気道刺激性(咳が出やすさや空気の通り道がせまくなりやすさ)と分泌物産生(痰のできやすさ)を増加させます。
また、粘膜にある繊毛の働きを弱め、分泌物排泄を傷害してしまいます。
これらにより、手術後に痰が絡みやすく非常に呼吸が苦しい状態となりやすいです。
手術後に肺炎になってしまったり、
最悪の場合、人工呼吸器を外すことができないという危険性も考えられます。

禁煙は効果がある?

禁煙には科学的に認められた効果があります。
しかも、最低12~24時間の禁煙であってもその効果があります。
できれば12週ほど禁煙を行うと、手術での危険性に関しては、喫煙のない人と同様のレベルまで改善することができると言われています。

禁煙の期間とそのメリットは以下のようになります。

・12~24時間
一酸化ヘモグロビン(本来、酸素とくっつくはずのヘモグロビンが、役に立たない状態となってしまったもの)の濃度が減少します。
酸素解離曲線(酸素をどれだけ効率よく届けられるかのグラフ)が改善。
➡酸素供給の能力が改善します
これにより、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが低くなるだけでなく、傷の治りなども良くなることが予想されます。

・2~3日間
気道にある繊毛の働きが改善します。
➡痰が出しやすくなり、苦しさや肺炎になるリスクが低くなります。

・1~2週間
気道分泌物の減少。
➡痰自体が減り、それに伴うデメリットが起こりにくくなります。

・4~6週間
小気道(細い末梢の気道)の機能改善。
➡細かな肺の組織まで広がり、空気の入れ替えができるようになります。酸素の取り込みも改善し、動いた時の息苦しさが改善すると考えられます。当然、肺炎などのリスクも低くなります。

・8~12週間
術後呼吸器合併症の減少。
非喫煙者と同様のレベルまで改善が見込めます。
ただ、肺組織が破壊されて起きてしまったダメージは改善することができません。
例としては、COPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気があります。
これは別途、呼吸器内科にて適切に治療を受ける必要があります。

喫煙がやめられない方へ

禁煙外来というものをお聞きになったことがある方も多いかと思います。

タバコはたくさんの薬物を含んでおり、摂取を続けていると依存が起こり、欠乏の際にはさまざまな禁断症状を引き起こします
もちろん、ご自身の意思できっぱりと禁煙できる方は素晴らしいですが、なかなかやめられない方もいらっしゃるかと思います。

手術を控えているのであれば、できれば禁煙外来や医療スタッフに相談することが望ましいです。
それが難しい場合や、ご自身で頑張ってみたいという方は下記を参考にしてください。

まず禁煙できないのは意思が弱いからではないと思います。
強い覚悟と意思が必要なのは間違いないですが、それを上手にサポートすることが重要です。

禁煙についての知識ですが、
禁煙を始めてもっとも辛い時間は、約72時間と言われています。
この間をうまく乗り切るように意識してください。
喫煙所に近づかないことや、喫煙をしたくなる場所(居酒屋やパチンコ屋)などは極力避けるようにしましょう。
イライラが強くなり耐え難い場合はニコチンガムなどを用いると症状を緩和することができます。
ただ、たくさんのガムを噛み続けては意味がないため、少しずつ間隔をあけるなどして離脱していきましょう。
また、たばこにつながるような習慣を控えたり、周りに禁煙を宣言することも効果があります。

できれば長期的に禁煙を続けられるよう、生活のリズムを変えていきましょう。

最後に

もちろん入院中は禁煙です。
現在、入院患者が喫煙できる場所は、日本全国の病院で消滅しています。

煙草に含まれる薬物は麻薬のように依存性があり、有害であることが分かっています。

上手に乗り越えて手術に対する準備を進めましょう。

お大事に。