気胸の手術とは

気胸の手術とは

気胸を繰り返している方や治りにくい方は手術を提案されます。

気胸ではどのような手術をするのでしょうか。

気胸の手術についてお話しします。

気胸についてはhttps://surgeon-s.com/pneumothorax/

手術をした方が良い人

手術適応は絶対的(すべき)ものと相対的(した方が良い)ものの二つがあります。

絶対的手術適応

①両側ともなった場合
両側一緒に起こることはまれでありますが、万が一の状況が考えられます。
わずかな虚脱でも循環動態(血の巡り)に大きく影響し、致命的となりうると考えられ、早期に手術をすることが強く勧められます。

②血胸(胸の中に血がたまる)がひどい場合
気胸、とくに外傷によるものでは血胸も併発していることがあります
胸腔への出血は見た目以上に重症となる場合があります。
胸腔内にある肺に影響を及ぼすだけでなく、大量の出血により命の危険にさらされる場合もあり、ひどい場合には手術を行う必要があります。
具体的には、ドレーンを入れた直後に1000mlの出血があった場合や、1時間に100mlの出血が見られた場合には手術へ進むことが多いです。

③ドレーンを入れても治らない場合
これは納得しやすいかと思います。
治療はドレーンを入れるか、手術をするかであり、ドレーンで治らないものは”最終手段”である手術をしなければなりません。

相対的手術適応

①繰り返し再発する場合
正確な数字は明らかではありませんが、一説によると、初回の気胸は40%の確率で再発をきたすとされています。
また、3度目以降繰り返す可能性は80%以上とも言われており、非常に再発しやすい病気です。
手術によりその可能性を数%程度まで下げることができ、繰り返している方は検討することをお勧めします。

②明らかな原因部位がわかっている場合
なかなか原因部位がはっきりしない場合もありますが、はっきりとわかる場合には手術をしてしまうことは効果的です。
上でも述べたように、再発しやすい病気なので、原因の治療をするという点では非常に有効です。

③社会的な都合
海外や医療機関が近くにない地域に赴任することが決まっている場合や、受験を控えている場合、ダイビングなどを頻繁に行う方などは手術が検討されます。

手術の目的

一番の目的は、再発の可能性を減らすことです。
女性の特殊な気胸の場合には、病変を切除してくることにより正確な診断をつけるという意味もあります。
出血や空気漏れが続いている場合には、当然、治療のために行います。
いずれにしても漏れの原因となる部分を切除(または焼き固める)ために行います。

手術の内容

手術は開胸で行う方法と、胸腔鏡を用いて行う方法があります。
いずれも上で述べたように原因となる部分を観察して、切除をするために行います。
最近、ほとんどの施設では胸腔鏡で行われています。

病側(気胸となってしまった側)の側胸部に1~2㎝長の傷3か所で行います。
それぞれろっ骨の間の肋間に、三角形となるように配置することが多いです。
女性では美容面に配慮して下着に隠れるような位置を意識しますが、ドレーンを留置する都合で、別の部位にすることもあります。

手術の時間は通常1時間程度です。
癒着などがあれば、もう少しかかることもあります。
手術後はドレーンを1本留置してきますが、手術後数日で抜去することができます。
ドレーンについてはhttps://surgeon-s.com/drain/
管が抜けたら退院できます。退院後の生活には特に制限はありません。

手術の危険性

①出血
肺を切除する範囲が狭く、大きな出血を起こす可能性は低いです。
しかし、肺は血液中の空気を交換する場であり、非常に血流が豊富な臓器です。
大きな血管も近く、万が一の場合には輸血考慮されます。
輸血についてはhttps://surgeon-s.com/transfusion/
②感染
清潔に操作を行いますが、傷をつける以上可能性が残ります。
特に胸腔内で感染が起こった場合には膿胸といって、少々厄介な状況となります。
外から管を入れてドレナージしたり、抗菌薬を用いて治療をする必要になる可能性があります。
抗菌薬についてはhttps://surgeon-s.com/antibiotics/
③他臓器損傷
ろっ骨の間を走行している肋間動静脈や神経、肺、心臓、食道、大動脈などが考えられます。
最も多いのが肺の損傷だと思いますが、手術中に追加で治療する程度で落ち着くことがほとんどです。
④全身麻酔によるもの
全身麻酔で手術を行いますが、様々な薬剤を使い、仮死状態ともいえる状況を作り出します。
薬剤によるアレルギーや脳梗塞・心筋梗塞・肺炎のリスク上昇などがあります。
また、全身麻酔管理中は人工呼吸器をつける必要があり、口から管を入れるため、歯牙損傷などもあり得ます。
⑤再発
残念ながら再発の可能性が数%残っています。
これは手術直後であっても、しばらく経ってからでも可能性としてあり、再手術を必要としてしまうことも、まれにあります。

最後に

不幸にも気胸になってしまった方は手術を考える必要があるかと思います。

個人的には、若い方で繰り返している方、ご高齢で今後発症すると大きな問題となりうる方は手術を強くオススメします。

担当医と相談してベストな選択をしてください。

お大事に。