腸閉塞?イレウス?

腸閉塞?イレウス?

おなかの手術の話をする上で度々出てくる腸閉塞の話です。

イレウスは厳密には腸閉塞の一部を示す言葉ですが、一緒の意味として扱われている場合もあるため、カッコつきで解説しています。

手術する前の人も、すでに悩んでいる人もご参考にしてください。

腸閉塞(イレウス)とは

文字通り腸が閉塞している状態です。

閉塞する部分は小腸が多いですが、時には大腸にも起こります。

主な症状としては
嘔気・嘔吐
腹痛
排便・排ガスの停止
腹部膨満感・食欲不振

などが挙がります。

以下でも触れますが、手術後や癌などが原因になることが多く、
比較的高齢の方に多いです。

原因は?

以下のように様々な理由で起こります。

  1. 手術後の癒着によるもの
    おなかの手術をした後には癒着という現象が起こります。
    これは傷が治るのにくっつくようなイメージです。
    このように癒着した際に、ねじれたり、折れ曲がったりすると、
    腸管の内腔が狭くなったりして、腸閉塞を引き起こします。
  2. 大腸癌によるもの
    大腸癌が進行すると大きくなります。
    腸の外側へも大きくなりますが、当然内側にも大きくなります。
    癌によって腸管の内腔を圧迫し閉塞してしまい、
    救急外来へいらっしゃる方も時折みかけます。
  3. 食事によるもの
    通常の方はほとんど起こりません。
    高齢などで腸管運動が低下している人でまれに起ります。
    食物繊維の多い食べ物を一度に大量に摂取するとなりやすいと言われています。
    非常にまれな例ですが、
    台湾では、健康な若者でもタピオカを1日3食摂取し続けて、
    腸閉塞となってしまった
    人がいたようです。
  4. 内ヘルニアによるもの
    ヘルニアとは聞きなれない用語かと思います。
    これは脱出して不調を起こしている疾患という意味です。
    イメージはしにくいかと思いますが、
    おなかの中の何らかの穴があり、腸が挟まってしまった状態です。
    穴の原因は癒着でできたものだったり、もともと構造上ある穴だったりします。
  5. その他
    先天性奇形や炎症による麻痺などがあります。

治療

腸閉塞では腸管への血液循環が悪くなり、
壊死(細胞が死んでしまうこと)することがあります。
腸が壊死しているかどうかによって変わります。

手術の内容については以下をご参照ください。
https://surgeon-s.com/?p=138

腸が壊死していることが予想される場合
緊急手術を必要とする状態です。
少しでも早く手術をして改善しなければ致死的となります。

腸が壊死していない場合
手術をせずに絶食と点滴で様子を見ることも検討されます。
原因が明らかで手術で解除できる場合や、繰り返している時などは
手術を行うこともあります。
絶食でも改善が見られない場合は残念ながら手術を必要とします。

予防

画期的な予防法はありません。

規則正しい生活リズム、バランスの取れた食事、適度な運動が重要です。

漢方薬の中には大建中湯と言って、予防を手助けしてくれるものもあります。
しかし、効果には個人差があります。

最後に

外科医にとっても常に話題に上がる疾患です。

上手い付き合い方を探していきましょう。

お大事に。