腸閉塞(イレウス)の手術とは

腸閉塞(イレウス)の手術とは

様々な理由で腸閉塞は起こります。

手術をしないでよくなることが一番良いですが、
残念ながら手術をしなければならないこともあります。

手術になってしまった方や、繰り返していて検討している方の参考になれば。

腸閉塞とは

腸の流れが何らかの原因で悪くなってしまった状態です。

流れが悪くなれば便も通らず、腹痛嘔気などの症状が現れます。

腸の血流が遮断されてしまったり、腸が圧に負けて破れてしまったりすると
命の危険にかかわることもあります。

腸閉塞については以下で詳しくお話ししています。
https://surgeon-s.com/ileus/

手術について

腸閉塞自体が様々な原因や場所で起こるので、
定型的な手術はありません(それぞれの方で異なる)。

個々の状況で異なりますので、ここでは一般的なお話をします。

手術は通常、開腹手術で行うことが多いです。
症状が出て早いタイミングだったり、原因となる場所が見やすい場所だったり、
腸の張りが強くなければ腹腔鏡手術を行うこともあります。
しかし、腹腔鏡で行えるのはごくまれです。

傷はお腹の真ん中に縦方向になることがほとんどです。
傷の位置は、閉塞の起こっている場所によって様々です。
長さは状況によりけりですが、体格の良い(皮下脂肪の厚い)方では大きくせざるを得ないことがあります。

手術の時間としては1~2時間であることが多いです。
癒着(腸同士のくっつき)をはがすだけで済む場合は短めですが、
腸が壊死(細胞が死んでいる状況)していたり、癌がある場合は、
切除をするので時間がかかることが多いです。

大腸が原因となっている場合やお腹の中の状況が悪い場合は、
人工肛門を作らなければならない場合もあります。

危険性

  1. 出血
    どれだけ癒着をはがしたり、腸を切ったりするかによります。
    もともとの全身状態が良くない人や炎症の強い人では輸血が必要になることがあります。
    輸血については以下を参考にしてください。
    https://surgeon-s.com/transfusion/
  2. 感染
    腸はもともときれいな臓器ではありません。
    便の通り道ですから当然中身は菌だらけです。
    お腹の中や傷に付くと感染を起こすことがあります。
    感染が起こった場合には抗生物質の治療や、針を刺して汚れを抜いたりという治療が必要になることがあります。
    抗生物質については詳しくは以下も参考にしてください。
    https://surgeon-s.com/antibiotics/
  3. 他臓器損傷
    この手術では、特に、原因とは別の腸管を傷つけてしまう可能性があります。
    もちろん通常の状態ではなかなか起こりませんが、
    癒着をしている場合にははがす必要があり、その際に起こることがあります。
    起こってしまった場合でも、
    通常は手術中に適切に処置できることが多いです。
  4. 短腸症候群
    文字通り腸が短くなりすぎて困るという状態です。
    一度だけの手術でなることはほとんどありませんが、
    腸閉塞は以下でも書くように繰り返す方が多いです。
    手術を何度も受けるとその危険性が上がります。
  5. 腸閉塞の再発
    せっかく手術をしても繰り返してしまう方がいるのもこの疾患の特徴です。
    むしろ、手術をするでくっつきが強くなる傾向があり、
    新たな原因を作りだすことにもなってしまいます。
    当然外科医は予防を行ってきますが、
    完全に防げず、残念ながら再手術となる方も中にはいらっしゃいます。

術後

お腹の具合(特に排便・排ガスの状況)を見て食事を再開します。

手術後2~4日ごろに重湯などの柔らかい食事から再開することが多いです。

順調に行けば、手術後7~10日程度で退院となる方が多いです。

傷は消毒は不要です。
くっつきが良ければシャワーは浴びても大丈夫です。
入浴は傷から液体の染み出しがなければよいと伝えています。
傷の強度は4~6週程度で元に戻ると言われています。
それまでは腹圧のかかる動作(腹筋運動や重いものをしたから持ち上げる)は避けるようにしてください。
軽い運動や職場復帰は退院後は可能であることが多いです。

最後に

人によって様々な状況があります。

また、手術をしてから時間が経っていても腸閉塞を起こすことがあります。

異常を感じたら早めに医療機関を受診し、
適切な治療を行うために、担当医とよく相談をしてください。

お大事に。