手術後に体から管が…ドレーンとは?

手術後に体から管が…ドレーンとは?

お腹や胸の大きな手術をした後、体の中にドレーンと言われる管を置いてくることがあります。

目が覚めてから気が付いたり、手術の前に説明を受けたりした方もいるかもしれませんが、何のために入れるのでしょうか。

また、この管はどのくらいで抜けるのでしょうか。危険性はないのでしょうか。

そんなドレーンについて少し専門的な部分もありますがお話しします。

ドレーンは何のために入れるのか

ドレーンを入れる目的は主に2つあります。

①汚れを取り除く
これは”drainage“という言葉が意味するように、膿瘍(細菌感染を引き起こした膿)漏れ出た消化液内出血でたまってしまった血液などを排液するために置くというものです。
汚れを体の中に残しておくことは治療においてとても不利になります。
具体的な例を挙げると、大腸が何らかの原因で破れてしまい、便がお腹のなかに広がってしまったとします。
当然私たちは、緊急で手術を行います。その際に、開いていた穴を閉じるだけでなく、よく洗い、このようなドレーンを残して、汚れがたまらないようにします。
②手術した部分の情報を得る
もう一つ大事な役割が、この情報を得ることです。
これは特に手術後に置かれることが多いです。
例えば、腸を切ってつないだり、膵臓や肝臓などの消化液の通り道をつなぎ合わせた際に、これらが外へ漏れ出ていないかを排液の性状を観察します。
また、お腹の中で出血をきたしていたりすると、排液が濃い赤色になります。
このようなことがあれば再手術や他の治療を検討します。

いつ抜くのか

情報を得るためのドレーンであれば2~3日で抜くことが多いです。
特に、胃や腸のつなぎ目の確認の意味であれば食事を再開した翌日には抜去することが多いです。
汚れを出すことを目的に、ドレーンを留置している場合は、排液の量や性状によって決定します。
中には、入院中だけでなく、ドレーンをつけたまま退院し、自宅でたまった液体を捨てる方もいます。
長く必要とする方だと数か月にわたって管をつけっぱなしにすることもなります。

入れることのデメリットや危険性は

①生活上の制限
これはイメージ通りかと思います。
刺入部を保護すればシャワーを浴びることはできますが、基本的には入浴をすることはできません
また、ドレーンをつないだバッグを連れて歩いていただく必要があり、引っ張られたり折り曲げたりしないように注意が必要です。
②感染
汚れを体の外に出すためのものですが、逆に菌が侵入してしまう可能性があります。
特に長期間留置が必要であったり、入れ替える必要のある方はリスクが高まります。
ひどくなってしまった場合には、別の方法(手術など)で汚れを取り除いたり、抗生物質を用いたりして治療を行います。
抗生物質についてはhttps://surgeon-s.com/antibiotics/
③刺入部の皮膚炎
ドレーンを挿入していることによって、中にたまった液体が管を排液されますが、わきから漏れてしまう場合があります。
その際に、刺激の強い液体であることもあり皮膚炎を起こしてしまうことがあります。
また、ドレーンを固定するのに強力なテープを用いたりすることで、アレルギーを起こしたり、物理的に擦れや圧がかかり損傷してしまうことがあります。
④痛み
当然異物が入っているため違和感があります。
人によっては痛みを訴える方もいらっしゃいます。
痛みがある場合には鎮痛剤を使うことができ、我慢せずに医療スタッフに伝えましょう。
痛み止めについてはhttps://surgeon-s.com/painkiller/

最後に

医者も必要なくドレーンを留置することはありません。

最適な治療を行うために、患者さんご自身でもご理解していただく必要があります。

管理が面倒ではありますが、とても効果的な治療法の一つです。

お大事に。