虫垂炎と診断されたら…。治療は?手術?

虫垂炎と診断されたら…。治療は?手術?

虫垂炎と診断されて悩むのは治療法だと思います。
医者と相談して強く勧められれば、その方法が良いと思いますが、どちらでもよいと言われて選択を迫られることもあります。

治療の方針としては、主に手術をするかしないかで2パターンあります。
それぞれのメリット・デメリットを解説します。

まだ病院に受診しておらず、虫垂炎かどうか悩んでいる人は以下を参考にしてください。
https://surgeon-s.com/appendicitis-diag/

① 手術

昔から王道の治療法です。
皆さんも”もうちょう”と言えば、手術というイメージがあるのではないでしょうか。

手術の内容については以下で細かく記載しています。
https://surgeon-s.com/?p=53

メリット

・悪化しない
手術をしない治療にした場合、一定の確率で悪化する場合があります。
早い段階で行えば、体のダメージも少ないですし、手術の難度も低くできます。

・再発しない
手術の一番のメリットと言っても過言ではありません。
一度虫垂炎にかかった人は繰り返しやすいです。
しかもそれが受験や結婚式、海外旅行中など、人生にとってとても重要かつ非常に困るタイミングで起こるかもしれません。
手術をすれば極稀な例外を除いて再発しません。
その例外とは、虫垂を根元(大腸との境)で切離をできなかったときです。
想定はされますが、外科医もそうならないようにするのが普通なので、基本的にはありません。

・入院期間が短い(ことが多い)
手術後、腸蠕動が改善していれば、翌日にはご飯を食べられる方が多いです。
ご飯が食べられて、傷に問題がなければ退院となることも多く、比較的短め(平均3~4日程度)となります。

デメリット

・手術を受けなければならない
手術を受けることのデメリットはこれに尽きると思います。
小さくとも傷は残りますし、手術自体には様々な危険性もあります。
手術は全身麻酔で行うことがほとんどです。
そこまで大きくない手術であるといっても、肉体的にも精神的にも大きな負担になることは間違いありません。

② 保存的加療

ここでは手術をせず、薬(抗生物質)を中心にした治療のことを示します。

抗生物質(抗菌薬)については以下をご参照ください。
https://surgeon-s.com/antibiotics/

メリット

・手術を受けなくてよい
唯一にして最大の理由です。
手術を受けるとなるとたくさんの危険性もありますし、傷も残ります。
ただでさえ体調が悪いのに精神的にも大きな負担となります。
手術せずに居られるというのは、捨てがたいメリットだと思います。

デメリット

・悪化する危険性がある
治らなかった場合、痛く苦しい期間が続いた上に、手術自体も大規模なものとなる可能性があります。具体的には、開腹手術になったり、大腸まで切除しなければならない可能性も出てくるということです。

・治っても繰り返す可能性がある
繰り返している人には手術を強くオススメします。
原因自体は現時点ではまだ解明されていませんが、なにかしらなりやすい要因があることは間違いないです。
私は痛い時ではなく、準備して待機的に(炎症のないときに)手術を行う選択肢もお話しします。

・入院期間が長い(ことが多い)
食事をとれなければ退院できません。
食事をすると痛みが悪化することがあるので、落ち着くまで待たなければなりません。
痛みがなくなったら、お粥から食事を再開し、徐々に普通のご飯にするのが一般的かと思います。
少なくとも1週間程度はかかることが多いです。

例外

ひどい虫垂炎の場合、一時的に抗生物質で治療して後日、待機的に手術をするという治療法があります。これを、interval appendectomyと言います。
炎症が強くひどい場合には、大腸まで広く切除をしたりしなければならないことがあります。また、炎症により血流が豊富となり出血や他臓器の損傷がおこるリスクが高くなります。
そのため手術を安全かつ低侵襲で行うためにこのような方針を用いることがあります。
ただし、うまくいかずさらにひどくなった状態で緊急手術ということもあります。しっかりと担当医と相談する必要があります。

最後に

外科医は手術を勧めることが多いと思います。

これは単に外科医が手術をしたいからではなく、悪化して大変だった方を見ているからだと思います。
手術が必要ない、あるいは適切ではない人に無理強いをする外科医はほとんどいないと思います(全員ではないかもしれませんが…)。

担当医にも相談してベストな選択をしてください。お大事に。